編集部コラム/ヤンデレ勢に新たなエース！？口づけのサロメ！！

書き手：垂直落下式しゃれこうべライターM（Twitter）
編集：悪魔超人編集T（Twitter）

海賊王女、天空の逸女を下す！！！

なァァァんだってェェェ！！！

ってことで2016年9月3日に行われた5★GP(ﾌｧｲﾌﾞ･ｽﾀｰ･ｸﾞﾗﾝﾌﾟﾘ)レッドスターブロックの注目カード！！
宝城カイリVS紫雷イオは海賊王女が勝ち星を収めました！！！

イオが腰を痛めていたのが大きいとは言え、この勝利は非常に大ｋ【編集スピアー】

編集T「冒頭からうるせェェェーーー！！！」

い、いやもう試合の熱気がね……！
まあ続きはあとがきに投げるとして！！

早くも9月だ秋が近い！週刊しゃれこうべ！！
バレーならデスバレー推し、SRSライターMです！！

さあ今週お送りしますは恒例のエピソードトーク！
扱いまするは！8月31日のメンテナンスで乖離進化が実装されたこの方！
サロメでありまする！！

【目次】

• ダークネスぷりてぃサロメ
• 序章：エピソード、その前に
• 第1章：サロメとヨナカーン
• 第2章：サロメの異常な愛情
• 第3章：サロメが望むもの
• 第4章：サロメの口づけ
• あとがき
• 【口づけよりもネタを募集】

ダークネスぷりてぃサロメ

さあ今回紹介しまするはサロメ！
『乖離性』以外のゲームでもちょくちょく目にする名前ですかね！

彼女は『乖離性』では見た目もかわいらしく、
称号も【オンステージ】やら【純愛の申し子】やらと！
ぴゅあ☆ふる感のある感じでございますね！

しかしながら彼女のキャラ詳細を見てみると……？

オリジナルは全身に聖者の血を浴びており、その絶大な力によって時空を超越した可能性もある。
……一部、あまりにも行き過ぎた純愛主義者との噂も……？
（【騎士】特異型サロメ、キャラ詳細より）

バレンタインデーに彼女からチョコを貰う時は覚悟をした方がいい。
お返しに彼女と口づけを交わさなければ、つぎに求められるのは貴方の首かもしれないからだ……。
（【騎士】華恋型サロメ、キャラ詳細より）

編集T「不穏かッ！！！」

いやびっくりでございますね！
というところで彼女の原典でございますよ！

彼女は新約聖書に登場し、のちにオスカー・ワイルドの戯曲、
『サロメ』にてその存在が広く知れ渡った女性にございまする！

そんな訳で、今回は戯曲『サロメ』の内容をちょろりとご紹介！

序章：エピソード、その前に

ではさっそくお話に……、といきたいところですが！
先に相関図をチェーック！

編集T「またドロドロかよ！！」

キレイなお話なんざそうそう語り継がれませんよ……！

ということで、サロメはエロデ（弟）とエロディアとのあいだに生まれた子！
が、母エロディアは、あろうことか夫の兄であるエロデ王と恋仲になり！
その後エロデ王は弟を殺害し、エロディアを自分の妻としたのです！

編集T「弟涙目すぎるだろ……」

で、エロデ王は弟の元妻と結婚した訳ですが、
当時の法では、これは“近親相姦”の罪にあたるものだったとか！

そしてこのことでエロデ夫妻を非難したのが、預言者ヨナカーン！
いわゆる洗礼者ヨハネでございますね！

エロデ王は彼を聖者であると考え、敬意を払っていましたが、
面子の問題もあるのか、王はヨナカーンを牢獄に幽閉し、
自分が許可した人間以外と会うことを禁じたのであります！

編集T「敬意を払うのに投獄とはまた妙な……」

で、本題のサロメ！

彼女は非常に美しく、義父であるエロデ王や、
王に仕える兵士たちの隊長ナラボスは彼女を愛してやまないのでありました！

編集T「女大好きかこの王様は！！」

ちなみにエロデ王がサロメをそういう目で見ていたことは、
妻エロディアにもばれっばれで、なかなかに険悪ムードだったそうな。

編集T「駄目だこの王……」

とまあ長くなりましたが、サロメを取り巻く状況はそんなドロドロ状態！
そしてある日、大きな事件が起こるのでありんすよ……！！

第1章：サロメとヨナカーン

それはとある月夜、ヘロデ王の宮殿でのできごと。

宮殿では王が来客のための宴が開くなか、
兵士たちの隊長、ナラボスは外から宮殿の中を眺めていました。
正確に言えば、その中にいる王女サロメを。

エロデ王の色目に辟易したサロメが外に出てくると、
ナラボスは彼女に話しかけましたが、その会話が続く前に
牢獄の中から奇妙な声が響いてきました。

「主、来たりたもう！人の子は来たりたもう。
いまや、半人半馬の怪獣は川底に身を隠し、
人魚は川を去って、森の木陰に身をひそめている」

編集T「……何て？」

ええ、こちらのセリフね！
仮名遣いは直しましたが、文面は原文ママであります！
何の話だかさっぱりですね！

しかしその声は、不思議とサロメに興味を抱かせました。

エロデ王の奴隷が宴の席に戻るようにと伝えるのにも構わず、
彼女はナラボスやその部下たちに、声の主について尋ねます。

「あれは王が怖れているという男の声だね」

「あれは預言者ヨナカーンの声であります。
しかしそれよりも王女様、王のもとにお戻りになるのがよろしいかと」

「その男は年寄りなのかい？」

「いえ、我々と同じく若き男でございます。
王女様、どうぞ席へお戻りを」

そうこうするうちにふたたびヨナカーンの声が届きます。

「パレスチナの国よ、おのれを打ちし者の鞭折れたりとて喜ぶな。
見よ、やがて蛇の卵より怪蛇バジリスクが孵り、それは育ての親鳥を貪り食うであろう」

編集T「何言ってるのかまったく分からんな……」

いやはやまったく！
しかしサロメはすっかりこの声の虜！

「私はあの男と話がしたいぞ」

「なりませぬ。王が禁じられておりますゆえ」

「なあナラボスよ、お前なら私のためにあの男を連れてきてくれるだろう？
お前が私の願いを叶えてくれるなら、私はお前が望む微笑みをくれてやるよ」

「王女様、お願いですからそのようなことをお望みになりませぬように」

しかし、ナラボスが何と言おうともサロメの意思は変わらず、
結局ナラボスは部下に命じ、ヨナカーンを牢獄から連れ出させてしまいます。

編集T「ナラボスが自分に好意を抱いていることを分かったうえでこの扱い……」

サロメ、恐ろしい娘ッッ！

さて、いよいよ王女サロメと預言者ヨナカーンのご対面にございまする！

第2章：サロメの異常な愛情

牢獄から連れ出されたヨナカーンは、相変わらず難解な、
しかしサロメの母エロディアスを非難するような言葉を発していました。
彼の姿を見たサロメは、魔力に捕らわれるように、ヨナカーンを見つめます。

「あの眼、まるで龍の住む暗い洞窟、
気まぐれな月にかき乱された暗い湖のようだ……」

「王女様、そろそろ宴の席にお戻りください」

「それになんと痩せているのだろう！銀の像、象牙の人形のようだ。
あの男はきっと純潔なのだ、あの月のように。
私はあの男をもっと近くで見てみたいぞ」

「いえ、なりませぬ、王女様！お戻りを！」

編集T「ヨナカーンもやばいがサロメも大概キてるな……」

彼女のセリフからにじむ狂気が戯曲『サロメ』の魅力ですね……！
さておき！

ナラボスの止める声も届かず、サロメはヨナカーンに迫ります。

「ヨナカーン、お前の声は私を酔わせる。さあ、続けておくれ」

しかし、前夫の兄と結婚したエロディアスを非難しているヨナカーンは、
その娘であるサロメのことも忌まわしく思っていました。

「さがれ！バビロンの娘！主に選ばれし者に近づいてはならぬ。
お前の母は、その罪業の酒をもってこの地を侵したのだ」

そんなヨナカーンの言葉も意に介さず、サロメはさらに迫ります。

「ヨナカーン、続けておくれ。そしてお前の声を私に聞かせておくれ。
ああ、お前の肌はアラビアの女王の庭に咲く白バラよりも白く、
お前の髪は長く黒い夜よりも、星すら怖れる夜よりも黒い。
さあ、お前に触れさせておくれ！」

「さがれ、ソドムの娘！俺に手を触れてはならぬ」

「だがその肌よりも、その髪よりも、私が欲しいのはお前の唇だ。
お前の唇は象牙の塔に施した緋色の縞。
バラより赤いザクロの花も、お前の唇ほど赤くはない。

どこにもありはしない、お前の唇ほど赤いものなんて……。
さあ、お前に口づけさせておくれ」

「お前のことなど見たくもない。もう二度と見ぬぞ。
サロメ、お前は呪われているのだ」

そう言い残すと、ヨナカーンは牢獄の中へと戻っていきました。

「お前が何と言おうと、私はお前に口づけする。
口づけしてみせるよ、ヨナカーン……」

編集T「ヤンデレってレベルじゃねえぞ……」

そしてなんと、狂気のごとくヨナカーンを求めるサロメを見たナラボスは、
心破れたあまり、手にした剣でみずからの胸を貫き、自害してしまうのです！

編集T「！？」

その後、サロメを探して、宮殿からエロデ王が妃エロディアスとともに現れます。
このふたりの登場で、狂気はさらに加速……！

第3章：サロメが望むもの

「サロメ！サロメはいずこか、何故戻らぬ！
おお、こんなところにいたか」

エロデ王はサロメを見つけるや否や彼女のもとへ近寄り、
ナラボスの流した血に驚きながらも、サロメに語りかけます。

「サロメよ、宴に戻ろうではないか」

「私はいま気分が優れませんので」

エロデ王はあの手この手でサロメの気を引こうとしますが、
サロメの返事はどれも冷たいものでした。

編集T「エロデ王の駄目男感が……」

妻の連れ子に言い寄るってのはかなり駄目ポイント高いですからね……！

妻の冷たい視線も気にせずサロメを口説こうとするエロデ王。
やがて彼の放ったある言葉にサロメが興味を示します。

「そうだ、ならば私のために舞を見せてはくれぬか。
舞さえ見せてくれれば、何でも好きなものをくれてやろう」

「……いま、何でもとおっしゃりましたね？」

編集T「あのさぁ……」

「そうだ何でもだ。我が領土の半分でも何でもくれてやろう」

「その言葉、誓っていただけますか？」

「ああ、神に誓おう」

サロメは奴隷に美しいヴェールを持ってこさせると、王に舞を披露しました。

真白に輝く月を背にして、足元に広がったナラボスの血を巻き上げながら舞う姿に、
エロデ王は息を飲むばかりです。

やがて舞が終わると、エロデ王は満足そうに口を開きました。

「すばらしい、いや、すばらしいぞサロメ。
さあ、お主の望みを言うがよい。
宝か、領土か、奴隷か。どれでも好きに取らせよう」

その言葉に、サロメは静かに、しかしはっきりと答えました。

「首が欲しゅうございます。ヨナカーンの首が」

編集T「んん！？」

意外！それは“首”ッ！！

このとんでもリクエストにはエロデ王もびっくりでございます！

第4章：サロメの口づけ

「な、何を申すか！何故そんなものを望む！それだけはならぬ。
領土の半分でも、金銀財宝でもくれてやろう。
だからあの男の命が欲しいなどと申すでない！」

「しかしあなたは誓われました。王よ、私はあの男の首を望みます。
あの首を銀の皿に乗せ、この私にいただきたく存じます」

編集T「サロメやばすぎるだろ……」

しかし神に誓った以上、約束は守らねばなりません。
観念したエロデ王は処刑者に命令を出します。

処刑者は牢獄に入ってヨナカーンの首を斬り落とし、
その首を銀の皿に乗せて持ってきました。

エロデ王がマントで顔を覆い、エロディアが微笑みを扇で隠すなか、
サロメは恍惚とした目でその首を手に取ります。

「さあこれでお前に口づけてやることができる。
言っただろうヨナカーン、私はお前に口づけすると」

「……どうして私を見ないのだ？あの怒りと蔑みに満ちた目はどうした。
何故瞳を閉じたままなのだ、ヨナカーン。

お前が私を、私を拒みさえしなければ。
私はお前を愛し、お前も私を愛しただろうに。不思議なものだな」

生首に語りかけるサロメに、その場にいた者は皆恐れを抱きました。
ただひとり、ヨナカーンの死を喜ぶ母エロディアを除いて。

「ああ、ヨナカーン！私はお前に口づけた。口づけたぞ。
お前の唇は苦い味がする。血の味なのかい、これは？

……いや、そうではない。多分これは恋の味なのだ。恋は苦い味がするというからね。

でもそれがどうした？どうしたというのだ。
私はとうとうお前に口づけた！ヨナカーン、お前に口づけをしたのだ！」

月明かりに照らされ、狂った喜びにむせぶサロメを見たエロデ王は、大きな声で命じました。

「殺せ、あの女を！」

その号令とともに兵士たちがサロメを押し倒し、彼女は命を落としました。

しかし、血を流し、この世を去る最期の瞬間まで、
彼女の唇には歪な微笑みが残っていたのです。

～ 完 ～

編集T「いやぁ……怖ぁ……」

乖離進化したサロメの称号、【純愛の申し子】から尋常じゃない重みを感じますね……！

あとがき

ということで、今回はブリテン勢も真っ青なサロメ回でございました！

今回は福田恆存(つねあり)訳の『サロメ』を参考にしたのですが、いやこちらがすばらしい！
文庫本にして実質50ページ程度ながら、濃密な狂気溢れる文章はじつに見事！

コラムで『サロメ』に興味を持たれた方はぜひご一読あれ！
※1959年の作品なので旧仮名遣いだったり漢字が旧字体だったりしますが。

編集T「それはそうと前回、
フェデルマ回じゃなくてカラティン回じゃねえか！！！
ってツッコミコメあったが」

……あ、アルスター神話回ですし～？？？
フェデルマのあの出番の少なさでどうしろと！！！

それもなにもすべてさておき！そろそろお待ちかね！！
スターダムトークでございますよォォォ！！！

この文章を書いている今日は9月3日！つまりは横浜大会当日！！
もちろん僕ァ見に行きましたが、すばらしい大会でしたよ！！

やはりメインイベンッ！！
白いベルトの王者と赤いベルトの王者が相まみえるこの戦い！
冒頭でも触れた宝城カイリVS紫雷イオでありますよ！！

ある意味で5★GPの枠を超えた、団体のエースの座を占うかのようなこの試合！
尾てい骨を痛めていたイオの腰を容赦なくカイリが攻める攻める！！

しかしイオもエースの意地を見せ、
カイリをエプロンから場外へパイルドライバー気味に叩き落す！！

そして白熱の試合終盤！
カイリが徹底した腰攻めから、得意の関節技イカリ（冒頭の写真の技ですよ！）を決める！
このとき試合時間は残り30秒！！

イオはタップしなかったものの、まさかのレフリーストップにより試合は決着！
結果、カイリが勝者となったのです！！

これでカイリは6戦中3戦3勝、残り試合も順当に行けば
レッドスターブロック優勝はかなり濃厚です！

さらにブルースターブロックでは、
ケイ・リー・レイVSトニー・ストーム戦がこれまた名試合でｓ【編集ドライバー】

編集T「1試合で十分なんだよォォォ！！！」

ほ、本当にすごい、試合だったん、です、よ……！
しかもブルースターブロックは下手すると最終的に4人が同スコアで並ぶ可能性ｍ【編集イカリ】

編集T「　終　わ　れ　」

こ、腰が……！砕け折れる……ッ！！ﾋﾞｸﾞ･ﾗﾝｸﾞｯ

【短いネタも長いネタも募集】

SRSのTwitterはこちら！
編集T(悪魔超人)のTwitterはこちら！

【コメント欄にジャンプ！】

過去のキャラコラム一覧

• 編集部コラム(106)