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研究報告書について

 マルセロ・ヒメネスの音声が録音されたテープ。『ザ・アサインメント』で7つ、 『ザ・コンセクエンス』で8つ、計15つ。STEMにまつわるという意味ではオーディオテープと似た性質を持つ。また、ルベン=ルヴィクへの思惑、本編では謎に包まれていた組織“メビウス”の一端を垣間見ることができる。

 入手タイミングは順不同だが、ナンバリング順に時系列になっていると考えられる。

手記番号231

被験者たちの精神状態が弱ってきたため、研究に
支障が出てきた。ビーコン精神病院の患者を使った
実験を中止し、もっと精神が安定している被験者へ
移行することをメビウスの連中は望んでいる。

STEMの実用化を急いでいるのだろう。

普通の人間の場合、患者たちと同じような世界を
体験するのだろうか。精神状態が良好な脳だった
場合、体力を消耗するこの実験に
どう反応するのだろうか。

またあの夢を見た。

私がSTEMに入る夢を…

考察

「ビーコン精神病院の患者を使った実験」=「自らが勤務する病院の患者を使った実験」をおこなっていたことがわかる。明らかに医師倫理に反する行動であるが、なりふり構わず“メビウス”への評価を高めようとしていた結果なのだろう。

 とはいえ、この時点の手記からは「STEMに接続する=死に至る」という結果は見て取れない。つまり、ルヴィクがまだ出現する前の段階だったということになる。

 また、本編ではマルセロがSTEMに繋がれていた原因は不明だったが、「私がSTEMに入る夢を…」は内なる願望とも考えることができる。

手記番号16

何ヶ月にも及ぶ秘密と口実の説明…
いわば洗脳の末、やっと彼らの一員として
認められた。この組織はお世辞にもシンプルとは
言い難い。近代的な外観とは裏腹に一世紀ほども
前から研究を行ってきたのではないかと
思わされることがある。

私が把握している限り、ここの施設は
いくつもあるうちの一つに過ぎないようだ。
そうそうたる家系が根深く絡んでいて
その財力については言うまでもない。

それをふまえると私の可能性も広がってくる。
私がビーコン精神病院で行ってきた独自の研究が
一目置かれ、この機会に繋がった。
大変有り難いことだ。

ここでは予算は二の次で結果のみが重要だと
言われる。昨今の基準からすると随分と古く
感じられる仕事の取り組み方だと感じる。

病院での本来の仕事と両立することも
問題なくできそうだ。

しかしあのルベン…

あの若さで既に彼の研究は目を見張るものがある。

今はそこまででもないが、近い将来私の研究を
手伝うことになるかもしれん。

考察

 手記番号の中では一番若く、マルセロが“メビウス”とコネクションを築くことができた時期と思われる。また、「やっと彼らの一員として認められた」とあることから、“メビウス”側がマルセロを強制的に利用しようとしたというよりは、パトロンとして“メビウス”をアテにしていた可能性が高い。

 “メビウス”そのものが母体であるか、もしくはどこかの団体の子であるかは定かではないが、「そうそうたる家系が根深く絡んでいてその財力については言うまでもない」ということから、誰もが知っている“家系”が深く絡んでいることが推測できる。

 時期的にはCHAPTER.9のルヴィクの少年時代のときと思われるが、「近い将来私の研究を手伝うことになるかもしれん」というマルセロの発言からは、この時点で彼を利用しようとしていたことがうかがえる。

手記番号229

STEMに繋がれた患者の様子がおかしい。
症状が悪化している。

STEM経験者達が体験した個人的なトラウマを
お互い共有している様だ。あたかも、皆の
心の奥そこにある恐怖がシステムの脳髄に
残存しているかのようだ。

最近の患者の証言が気がかりで仕方ない。
どの患者もフードを被った人物がゆっくり
向かってきたと言っている。

まさか… 彼なのか?彼の意識がゴーストとして
システムに残存しているというのか。

私はかつてこんなにも好奇心を満たされたことが
あっただろうか。

知りたい。患者が見ている世界をこの目で
見てみたい。でも今は危険すぎる…

考察

「STEM経験者達が体験した個人的なトラウマをお互い共有している様だ」からは、セバスチャンたちが捕らわれた世界はルヴィクによってのみ形成されたのではなく、それぞれのトラウマが寄せ集まったものと見ることができる。

「フードを被った人物」とはルヴィクのこと。また、「彼の意識がゴーストとしてシステムに残存している」ということから、ルヴィクはこの時点ではすでに故人である可能性が高い。ところが、その影響力は「システムに残存している」という生易しいレベルのものではないことはマルセロの誤算であった。最後の一文からは、彼が自らの出世以前に、STEMへの知的な渇望に苛まれていた様子がうかがえる。

手記番号239

更に悲惨な事が起きている。被験者たちが…
次々と死んでいる。STEMに繋がれたままの
突然死だ。なぜか皆、苦悶と驚愕の表情を
残したまま死亡している。

生き残った被験者たちは緊張病性行動が酷く
話す内容が支離滅裂でヒアリングが困難な状況だ。

プロセスに何か変更を施した訳でもない。
単に患者がSTEMの付加に耐えられなく
なっただけか…

もしかすると、精神状況が良好な被験者で
システムを浄化する必要があるのか…
とにかく今のシステムは不安定だ。
メビウスは容認しないだろう。
今回、責任は私のみにある。

ビーコン精神病院にある、もう一つの
プロトタイプの準備が整ってきた。
準備が完了すればワイヤレスシステムへの
変換を開始する。

万一、今のSTEMの研究が失敗に終わった
としても、次世代機の存在をメビウスに
説明すれば面目を失わずに済むかもしれん。

考察

 保身に躍起になるマルセロ。被検体の死よりも自分の立場を優先させるところから、本性を徐々に覗かせている。

「今回、責任は私のみにある」とあることから、今までスケープゴートとしても利用してきたルヴィクがすでに生存していないことがわかる。

手記番号246

今日は驚いた。
今日最後のテストグループの被験者…
どうせまた支離滅裂な話しか聞けない…
下手したら死亡してしまうと思っていたが
被験者番号105-レスリー・ウィザーズは違った。

ルベンは彼が被験者として相応しくないと
除外していた。でも知っていたに違いない…
私に自分のメモを読まれることも。
他にも私から隠していたことはあったのだろうか。

しかしこのレスリーという少年…
実験から戻ってきた彼の話には説得力があった。
STEMの中での経験を冷静沈着に話していた。
彼の独特の病変が、STEMの中のナビゲートを
可能にしたのだろう。

連中は少年の存在を知らないが、あの子が鍵になる
のは間違いない。全員が意識を共有すれば…
彼と一緒なら私もSTEMを体験できるかもしれない。
中にいるゴーストの影響すら、抑制することが
可能かもしれない。

この技術の確立に関わってきたが、彼となら
私自身がその技術を極められるかもしれない。
メビウスの連中も私の価値に気づいてくれる。
昇進の話も夢ではない。

考察

 本アーカイブの中では直近のものとなる。

 アーカイブの研究施設の手記では、ルヴィクがSTEMに適正を持つレスリーを発見したと思しき記述がある。なお、被験者番号は研究施設の手記の方では23番となっていることに対し、こちらでは105番となっている。これはルヴィクがマルセロに悟られないよう、独自に実験を続けていた、つまり、別ラインの人体実験であったからと思われる。

 “メビウス”の目的などはまだ謎に包まれているが、「昇進の話」と言っていることから、マルセロの立場は外注ではなく、組織に組み込まれていると見るべきだろう。

手記番号215

最先端プロジェクトとなったSTEMの研究は
全面的に支援されることになり
他の研究チームも後方支援に加わった。
科学チームや植物学チームですらが、何れ
接続されるだろう被験者の準備作業に
当っている。

プロトタイプが稼働しているからには
暫く実験が続くのだろう。STEMの実験を終えた
被験者たちはかなり詳しくヒアリングされている。
患者の症状から彼らそれぞれの体験を読み取る
ことができるが、共通点もある。全ての患者が
同じ場所や出来事を体験している。
彼らが体験する「世界」は新しい被験者が
繋がれる度に拡大しているようだ。

これが何を示唆しているのか…

一度STEMに繋がれたユーザーは自分の意識の
破片がSTEMに残され、コミュニティが
形成されているのではと考えている。まるで
そこに新たな別世界が作られているように…

考察

“メビウス”が大規模な秘密組織であることは想像に難くないが、「科学チームや植物学チームですら」とあることから、マルセロと同じような立場の人間を使い、その他のプロジェクトを進行させており、STEMプロジェクトのサポートに回った──もしくは、あらかじめSTEMの研究に組み込まれていた可能性もあるが、いずれにせよ“メビウス”にとってもかなりウェイトの大きな研究であったことがうかがえる。

 また、STEMの特性として、「被験者の持つ体験/意識によるコミュニティの形成」と「被験者がSTEM接続を終えても、それは残存する」ということが明らかになっている。

手記番号201

ルベンは自分のやったことを全く理解していない。
彼はメビウスを恐れてなかった。だから、関心を
示さないのは当然のことなのかもしれない。
STEMのプロトタイプは稼働するが、ルベンとの
接続は不可欠だ。調べてみて分かったことだが
自分自身の脳波でしか正常に作動しないように
彼は全システムを再設定してしまったのだ。
あの装置を任せ過ぎた… その結果がこれだ。
私の知識を持ってしても、元通りにすることは
容易ではない。

この事は上の連中も知っている。私一人の責任に
されてたまるか。ルベンを引っ張り出してでも
元通りにさせてみせる。

それに、そうでもしなければ連中がルベンに
何をするか… 想像もしたくない。

考察

 ルベンの死因を読み取ることができるアーカイブ。“メビウス”はルベンを買っていた節はあるが、脳だけを残してシステムを稼働させるという選択をおこなったことになる。

「あの装置を任せ過ぎた」「私の知識を持ってしても、元通りにすることは容易ではない」「ルベンを引っ張り出してでも元通りにさせてみせる」とあることから、STEMの技術面はルベンに任せきりで、自らはその先にある研究結果のみを求めていた、とも考えられる。

「連中がルベンに何をするか… 想像もしたくない」は僅かに残った良心の呵責と、ルベンを失えば自らの進退に関わるという現実的な問題が混ざった、マルセロの複雑な心理状態を読み取ることができる。

『ザ・コンセクエンス』の研究報告書

手記番号154

いくら強力な支援者が付いているとはいえ、
巻き添え被害がここまで拡大すれば人目に付くのも
時間の問題だ。

KCPDが頻繁に姿を現すようになった。
女性刑事の…何と言ったか名前は思い出せないが…
何れにせよ、私は警察と関わりを持たない方が
良さそうだ。メビウスの連中は研究の邪魔に
ならない様に対処すると言っている。

それとあのクリムゾン・ポストの記者…
アイヴァンとかいう男… 個人的に、厄介な存在に
なりつつある。教会で人が生贄にされているなど
ナンセンスなネタを記事にする三流記者だが、
最近は患者の失踪容疑について興味を
示し始めている。こんな男にビーコン精神病院を
潰される訳にはいかない…

こういう問題にもルベンが役に立つかもしれない。
ルベンとの「独占インタビュー」を餌にすれば
食いついてくるかもしれん…

考察

「巻き添え被害」とは、ルベン=ルヴィクによる強引な人体実験のことだろう。大半の被験者が結果的に死亡したと思われる実験、いかように死体遺棄をおこなっていたかは定かではないが、警察に嗅ぎつけられることも時間の問題だったのだろう。

「女性刑事」とは、順当に考えればキッドである可能性が高い。マルセロがメビウスに危険視されていることは『ザ・アサインメント』の冒頭でも触れられていた。彼女がメビウスの指令によってビーコン精神病院をマークしていたかどうかは定かではないが、本編で重要なファクターとなっていた連続失踪事件について、セバスチャンの元で調べていた可能性もある。

 ただし、本アーカイブの時期がいつであるか明言されてはいないため、「女性刑事」がセバスチャンの妻マイラである可能性も残っている。

「アイヴァンとかいう男」は、本編のアーカイブ尋ね人の張り紙にあった“イヴァン・ディエス”のことだろう。イヴァンのスペルは“Ivan”であり、どちらの読みも存在する。彼は結果的にエルクリバー村で失踪してしまったことから、“メビウス”が何らかの対策をおこなった可能性が極めて高い。

「独占インタビュー」のくだりはマルセロの利己的な側面が色濃く出ている箇所。この時点でマルセロはルベンの逸脱した行動を持てあましていた思われるが、そんな危険な彼を利用するあたり、どこかで状況を楽観視していたフシもある。

手記番号120

彼の攻撃的な態度は増し、研究方法も
屈折しつつある。ダヴィンチは解剖学のために
死体を解剖したが、ルベンのやっていることは
次元が違う。被験者に意識があるままで解剖し、
脳の反応を研究しているのだ。知性的アーティスト
というより、考えなしの解体屋のようだ。

我々は科学者でなければならない。彼が若い頃、
「目的には手段を選ばない」と教えたのは確かだが
ここまで度が過ぎるとは思いもしなかった。

不注意により、彼の関与をメビウスが
知ってしまった。彼を私の助手として研究に
参加させられないか上に要請した。
ここの素晴らしい施設と支援があれば、
あの恐ろしい振る舞いに歯止めをかけられる
かもしれない。

考察

 本編のCHAPTER.9などでもそれと分かる描写はあったが、本アーカイブで「被験者に意識があるままで解剖し、脳の反応を研究している」ということが明言された。なお、皮肉とはいえルベンをレオナルド・ダヴィンチを引き合いに出すあたり、マルセロが彼を天才と位置づけていたことは間違いない。

「目的には手段を選ばない」ということはマルセロ自身も体現していること。作中のルベン=ルヴィクは神経質ながらも確固たる意思を持っており、マルセロの言葉に流されるようには到底思えない。

 しかし、事故で姉を失った失意のルベンにとって、マルセロの存在は地獄に垂れてきた蜘蛛の糸のようなものであったのではないだろうか。マルセロの言葉を鵜呑みにし、自らの都合の良いように解釈⇒行動する土壌にしてしまった可能性は十分にある。

 3つめのセンテンスからは、ルベンの才能だけを安全に利用する手綱として、メビウスの監視下に置きたかったということが読み取れる。
 

手記番号209

ルベンが… 彼の驚愕の姿を、私はこの目で見て
しまった。自分が指導してきたあの青年が今は…
連中は初めからこれを計画していたのだろうか。

私はなんてことをしてしまったのだ…

連中は人工的に脳を刺激し続ける事で、ルベンの
脳を生かしている。彼の意識は精神的な拘束衣に
縛られた、機械の歯車となってしまった。
名前も人間性をも奪われ、RUVIKという
コードネームで呼ばれている。
彼の墓にツバを吐くような、下品なジョークだ。

あのガラス容器を壊して、全てに終止符を
打ってしまおうかという感情にかられたが、
その怒りはすぐに科学者としての好奇心で
上書きされた。ルベンの遺産は生き続ける。
そして次なるステップは私自身に託され、
この悲劇を私自身の成果につなげてみせる。

考察

 ルベンが脳だけの存在とされ、STEMに組み込まれた後のアーカイブ。

 本アーカイブからは、マルセロの言うところの“科学者”について、恣意的かつ利己的な解釈がありありと見て取れる。

 彼の心理状況をかいつまめば、「ルベンが殺された」⇒「それに対して憤りを覚えた」⇒「好奇心を優先、自分の成果にしよう」ということになり、ルベンの死を悼みつつも、結局のところは利用することに始終してしまっている。

 完全な悪ではないものの、間違っても善人とは言えないマルセロ。ある意味、作中で最も人間らしい人物であるのかもしれない。

手記番号133

悲しいことに、ルベンの研究は多くの被験者を
必要としてきた。ここにいた患者と同じ…
いや、それ以上に苦痛を強いられてきた。
幸いと言っていいのか… ビーコン精神病院と
この街には必要に充分なだけの被験者がいる。
恥ずべきことだが、この仕事に就くときに誓った
倫理など、遠い昔に捨てた。研究による科学と
医療に及ぼす影響、そしてその可能性を、
もはや無視することはでいない。

メビウスが私にかなりの報酬を提案してきた。
ビーコン精神病院の院長ともなればそれなりの
覚悟が必要だ。まずは学会誌などで論文を発表して
世間の評価を得てほしいと言われている。ルベンの
研究を少し改編すればなんとかなりそうだ。
きっと彼も気付かないだろう。

考察

 本編では患者のことを第一に考えているような素振りを見せていたマルセロだったが、「倫理など、遠い昔に捨てた」の発言に加え、結局のところルベンの暴走する人体実験を止めなかったことから、外面だけのポーズだけだったということがわかる。

 マルセロは独自で研究を続けていた形跡はあるものの、「学会などで論文を発表して」のくだりからは、世間的な評価のあった医師/科学者ではなかったことになる。弟子の研究をほぼそのまま使うつもりであったことを見るに、「研究者として無能ではないが決して天才ではない」ということは本人が一番よくわかっていたのではないだろうか。更に、この剽窃(ひょうせつ)行為は以後も継続された可能性が非常に高い。

 なお、「ビーコン精神病院の院長ともなれば」とあることから、世間的にもビーコン精神病院はネームバリューのある医院であったことがうかがえる。

手記番号31

あの火事からの生還、そしてその後も絶える事の
なかった親の虐待を考えると、ルベンが
まだ働いていることは奇跡に近い。

仕事に対する彼の動機は恐怖や金、社会的地位から
来ているものではない。それはもっと純粋なもの
だろう。現実を再形成して、また「彼女」と一緒に
暮らせることに心を奪われている様に思える。

彼が負っている傷は肉体的にも精神的にも深く、
亡くなった姉に対する想いは一般的な家族愛を
越えている。それが彼のモチベーションに
なっているものであれば、それはそれで結構な
ことであるが。

考察

 アーカイブ“研究報告書”の中では2番目に古いもの。他の“研究報告書”と異なり、出世や策謀などの色合いが少なく、科学者らしく対象を見つめる希有なものとなっている。

 ルヴィクの受けた虐待とは監禁のことを指していると思われる。また、彼が姉ラウラを失い、彼女がいる世界を求めていることが研究の原動力になっていることが明言されている。

手記番号232

昨日再び、ヴィクトリアーノ家に足を運んだ。
希望に満ちた面影は、もうそこには無かった。
我々が研究を引き継いだと同時に、メビウスは
価値のある物全てを奪っていった。ただ、残された
ルベンのメモには、彼が別の実績に関係していた
ことが示されていた。もう一つのSTEMの
プロトタイプが検討されていたらしい。
受容器を介して脳の働きを第三者に無線で
伝達するとか… 超心理学観点からしても
ギリギリの理論だが、設計図と資料を見る限り
理にかなっている。

いったい何を計画していたのだ。

確実に知るためには方法は一つ。やつらの目が
届かないところで実績を続けるしかない。
知られてしまえば全てが水の泡だ。
この研究も私から奪われてしまうに違いない。

考察

 手記番号209?の時点でルベンが殺害されていることを考えると、彼が亡き後の生家をマルセロが独自に調査していたと思われる。

 『ザ・アサインメント』の回想において、“メビウス”がルベンと直でのやり取りを望む場面があったが、マルセロには知らされていない研究があったことから、それは実現したようだ。

 当研究については“プロトタイプ”と言われていることから、この時点でプロジェクトは頓挫している可能性が強い。しかし実際にビーコン精神病院内ワイヤレスのSTEMが登場している。つまり、マルセロはルベンの残したひな形を流用し、“メビウス”のあずかり知らぬ所で研究を続けていたことになる。

手記番号188

上の連中が研究の進展に不満を持ち始めた。
現状の状況をしきりに求めてくる。
結果が重要だと言っていた連中が、今では自分達に
都合の良いスケジュールを押しつけてくる。
典型的な官僚だ。

ルベンには急ぐよう圧力をかけているが、
逆に離れていく始末だ。自宅で研究をすることも
少なくない。直接STEMのプロトタイプに関わる
仕事でない限りラボに顔を出すことを拒む
ようになった。

心が落ち着かない。

メビウスは私を疑いはじめているに違いない。

考察

 結果を求めることは出資者である“メビウス”としては当然のことであり、「スケジュールを押しつけてくる」ことも予測の範囲内であることから、冒頭は単純にマルセロの愚痴であろう。

「典型的な官僚」について、これを「上の連中」=実際の官僚=政府の要職に就いている人物たちと取ることもできるが、マルセロが雲の上の人物の正体を知っているとは考えにくいため、あくまで比喩だろう。だが、“メビウス”の力(市警に経歴詐称したキッドを送り込むなど)を考えると、むしろ国の中枢部の人間が組織に与していると考えた方が自然ではある。

 なお、「ルベンには急ぐよう圧力をかけている」とあることから、マルセロは実質プロデューサー的な立ち位置になっており、自らSTEMの開発にはそこまで携わっていなかった/その能力がなかったという印象が強い。

手記番号264

連中が私を探している。
どうやったか分からないが、全てを知っている。
レスリーの事も。もはやこれ以上隠す
意味がなくなった。

こうなったらシステムに入るしかない。
そして戻ってきた時、連中に意味のある成果が
あったと説得するしかない。自分の為ではなく、
彼らの目的の為だったと…

残すは微調整のみ。それが終わればレスリーと共に
STEMに入り、システムを起動する。その後、
ワイヤレスの信号が鳴り響くだろう。
周囲の人間には申し訳ないが、目的のためには
手段を選んでいられない。

メビウスの連中は、これで私が選ばれし者だという
ことを理解するだろう。ルベンは単なるゴースト。
私は彼らの救世主なのだ。

私無くして彼らの計画は存存続できない。

考察

 “研究報告書”の中では一番若いものになり、内容から本編開始直前のものと思われる。

 マルセロが組織に対して成果を提示するためにワイヤレスのSTEMを稼働させたこと、レスリー単独ではなく同時に入ったこと、周囲がそれに巻き込まれたことなどが明かされた。

 本人に悪意はなかったようだが、マルセロこそが本編で起こった事件の諸悪の根源であると言える。

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