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手記一覧

手記について

 “手記”は「現実で残したもの」「ルヴィクの世界で残したもの」に大別され、さらに「謎解きのヒントとなるもの」「ルヴィクの残したもの」「ルヴィク以外の人間が残したもの」の3つに分類することができる。

地下水路の古い手記

地下水路の先にある 閉じられたゲート脇の
梯子を登れ
旧病棟を抜ければ 外に出られるエレベータがある
お前なら逃げられる さあ 自由を手に入れるんだ
──R

入手場所

 CHAPTER.1 地下水路、車椅子の足下

考察

 CHAPTER.1で手に入るこの手記は、表面上は地下水路からの脱出ルートを示唆している。しかし、最後の手記である“地下水路の古い手記”と照らし合わせると、セバスチャンに希望を与えた上で絶望させる役割も担っていることがわかる。

 なお、最後に記された「R」はルヴィクの頭文字である「R」と考えるのが妥当だ。

ボイラー室の手記

1300
STEMシステムの稼働実験開始

1315
実験は成功
脳波の同調を確認
被験者の損失も最小限
実験継続
エージェントが 取得データを回収

1315
異変発生
被験者側ではなく
記録役のスタッフが 体調不良を訴え
直後 原因不明の昏睡状態に陥る
医師の判断で STEMシステムを遮断

1345
スタッフが次々に体調不良を訴え昏倒
動ける者は院外への脱出を図るが
なぜか外へは出られず
STEMシステムは 稼働停止させたはずだが
被験者の脳波は ホストとの同調を続けている

1400
彼が
あの男が現れた

入手場所

 CHAPTER.1 地下水路のハシゴを登った先、スイッチ式ドアの右側の部屋

考察

 CHAPTER.1の地下水路は、実はビーコン精神病院の地下だった。

 また、「STEMシステム」はルヴィクが発案し、マルセロが奪い取り、ルヴィクを脳だけの「ホスト」とし、意識を共有するシステム。バスタブのような中に入れられた被験者はルヴィクと意識を繋がれることになる。

 なお、「STEM」が何かの略称の可能性はあるが、単純な英単語としては「草木の茎・幹」の意。中央部分が幹、被験者たちを葉に見立てたものである可能性が高い。
 
「1300」などは時間を示しており、物語の始まりとなるルヴィクの連続殺人中に、誰かが記したものと思われる。

 この手記をまとめると、STEMシステムの実験中にシステムが不具合を起こし、最終的には体を持たないはずのルヴィクが姿を現し殺人を起こした、ということになる。

 「被験者の損失も最小限」とあるが、それでも何名かは命を落としていることになり、STEMシステムがどれだけ非道かつ無茶な実験であるかということも示している。

 なお、「エージェントが 取得データを回収」とあることから、STEMシステムの開発には、マルセロのバックにいた組織が絡んでいることは間違いないだろう。

湖畔集落の手記

なぜ湖に 灯台があるんだ
いつから あの場所にあったのか
何も思い出せない
回る光が わたしを照らし
わたしの心を通り過ぎる…
毎回 何かが奪われてゆく気がするが
何が奪われたのか もう思い出せない

入手場所

 CHAPTER.2 村人がホーンテッド化する付近の小屋の焚火周辺

考察

 灯台とは、ビーコン精神病院のこと。CHAPTER.12でジョセフが目指すべきだ、と提案した場所でもある。

 悪夢の世界=ルヴィクが作り出した世界では、どれだけ建物が倒壊しても、ビーコン精神病院だけは無事だった。実際にルヴィクの“本体”が置かれている場所ということからも、精神世界内では、多くの人の意識が見るこの灯台が、何かしらの効力を持っている可能性は否定できない。

村内民家の手記

ノーマンが食われた
助けを呼ぶ声は すぐ聞こえなくなった
毎晩 誰かの悲鳴が聞こえてくる
きっと今度は俺の番だ
隠れないと

入手場所

 CHAPTER.4 スタート地点右手、燃える少女が飛び出してくる家の中

考察

 CHAPTER.4のエルクリバー村には多くの死体があった。STEMシステムに意識を接続された村人たちがホーンテッド化し、同胞を食らったと思われる。

地下施設の手記

彼は 嘘をついた
血を分けた実の息子に
ふざけやがって
“より良い場所に行った”?
あの偽善者
聖人ぶったクズが!
ぼくは知ってるんだ 真実を
あいつの本性は あいつ自身より知ってる
あいつは 僕を罰したいだけだ
ぼくらの仲が良すぎるって ずっと嫌がってた
だから この機会を利用できると思ってる
誰が騙されるもんか

……ラウラは 死んでなんていない!

入手場所

 CHAPTER.5 3つの扉が出現する部屋、青い扉の中

考察

 文面から見るに、火事に遭った後のルヴィクが残したものだろう。父親への不平、不満、憎しみが綴られている。

「あの偽善者」「聖人ぶったクズ」とあるのは、火事に遭った後にルヴィクを幽閉していたからだろう。

 また、父エルネストが信仰していた教義(恐らくCHAPTER.6の教会に由来する)は定かではないが、近親相姦を禁忌とする教義は多い。エルネストが息子と娘がそのような関係にならないか危惧していた可能性は非常に高い。

 とはいえ、エルネストがルヴィクとラウラとのことを危険視する以前の問題として、幼少期のルヴィクは小動物などの解剖に興味を示すなど、明らかな異常性の片鱗があった。エルネストの判断は「やりすぎ」であったかもしれないが、必ずしも彼の非人間性を証明するとは言い切れない。

 そして、最後の一文からは「ラウラが死んだ」という旨を父がルヴィクに伝えたものと思われる。しかし、すでにラウラはルヴィクをかばって焼死しており、ルヴィクはその事実を受け入れられていない、ということになる。

 なお、ルヴィクは父により厳しく教義を押しつけられていたらしく、それへの拒絶の結果がクリーチャー・トラウマとして顕在するに至る。

墓地前 民家の手記

ウォルトへ

ドナを取り戻しに行く
オオカミの穴に入る方法は わかった
彼女を 生贄になどさせない
ついて来るんじゃないぞ
ここにいて 彼女を守ってくれ
彼女を連れて帰る

ダニエル

入手場所

 CHAPTER.6 ノインとツェーン撃破後、馬の像の前

考察

「オオカミ」とはセンティネルのことだろう。確かにあの異形が元は犬だった、と言われて納得する者は少ないに違いない。人間からすれば「生贄」だろうが、センティネルからすれば「餌」にしか過ぎない。ダニエルがその後どうなってしまったのかは、想像に難くない。

墓地地下実験室の手記1

死にかけていた双子の虎児が
生き延びられたのは きっと神のご加護だ
司祭の“洗礼”を受け
与えられた薬を飲ませただけで
兄のノインも 弟ツェーンも たちまち回復し…
異常な速度で 成長し始めた

双子とはいえ なぜかノインもツェーンも
まったく同じ数値で 成長を続けている

薬物投与後12時間経過
N:122.4cm 28.2kg
Z:122.4cm 28.2kg
※体温上昇 膝と腰の痛みを訴える

薬物投与後24時間経過
N:125.8cm 29.4kg
Z:125.8cm 29.4kg
※バイタルサインは安定 短い睡眠を繰り返す

薬物投与後36時間経過
N:138.9cm 34.0kg
Z:138.9cm 34.0kg
※半覚醒状態 存在しない相手と話すような言動

薬物投与後48時間経過
N:145.7cm 46.9kg
Z:145.7cm 46.9kg
※興奮状態 鎮静剤を──

入手場所

 CHAPTER.6 センティネルの檻の前、通路の死体傍

考察

 ノインとツェーンが、なぜあの異形になってしまったのかを知ることができる手記。
 
 実際は「司祭の“洗礼”」は効果はなく、全ては薬の効果である可能性が極めて高い。

 また、この教会は新聞の“行方不明の信徒 発見”で元信徒が「あれはカルトだ」と言いきっていることからも、教会は相当に胡乱なことをしていたと想像される。

墓地地下実験室の手記2

住民が “祭壇” と呼ぶ 地上の石棺には
毎月必ず “供物” が運ばれてくる
2体 4体 3体 5体 3体 4体 7体 6体…
教会の番犬は 変わってしまった
あの双子のように 異常な成長を始めた

今日だけで6体を食い尽くし
追加を要求して吠える
極度の興奮状態で 鎖や檻が歪み始めた
あの犬は わたしからも視線を離さない
“供物” の一部だとでも 思っているのか…

入手場所

 CHAPTER.6 センティネルの檻の前、通路の死体傍

考察

 教会の司祭である“サルバトール・グラシアーノ”が残した可能性が高い。

「教会の番犬」=センティネル。「あの双子」=ノインとツェーン。

 人間を“供物”と呼ぶ時点で確実に善人ではない人物だろうが、手記を見る限り、センティネルと双子の異常性に恐れをなしていると見て取れる。
 

教会地下の手記

たすけて
鉄のぶつかる音 また あいつが来る
どこまで逃げても ずっと 追いかけてくる
たすけて かみさま たすけて たすけて
たすけて たすけて たすけて たすけて
たすけて たすけて
たすけて 

入手場所

 CHAPTER.7 カタコンベ通路、最初のレリーフが彫られた部屋の内部、机の上

考察

 キーパーのことだろう。

「鉄のぶつかる音」はキーパーがハンマーを自身の金庫頭に打ち付ける音と思われる。

 なお、キーパーは犠牲者の脳をズタ袋に詰め込む習性がある。いずれにせよ、この手記を残した人物が助かったとは考えにくい。

地下洞窟の手記

深入りしすぎた やはり罠だった
何度もソフィアに忠告されたのに
あと一歩で 真実を突き止められたはずだ
確かに 手応えはあったんだ
あと もう少しだったのに!

ドアの隙間から 風が漏れてくる
外に つながっている証拠だ
鍵になるプレートは 見つけた
裏が表か 確立は1/2
もっとも簡単な選択なのに
決断できず 行ったり来たりを繰り返している

ソフィア もし外に出たら 君を抱きしめる
君が正しかったと言って ずっと離さないよ

入手場所

 CHAPTER.8 “血まみれのレリーフ”を嵌める扉の前

考察

 この手記を残した人物は、CHAPTER.8でトラップにかかって死亡しているのを目撃できる。また、彼が死亡している位置は扉の前ではなく、やや離れた場所(セバスチャンがトラップにかかると、彼よりも扉側で死亡する)。つまり、逃げようとした可能性が高い。

 なお、この地下洞窟が実際にあったものかどうかは不明だが、CHAPTER.7のカタコンベから繋がっており、ルヴィクの残したオーディオテープがあることから、ルヴィクの研究がらみの可能性はある。

 また、この手記を残した人物は「真実を突き止められたはずだ」と言っているので、その先に何かがあった可能性は高い。とはいえ、本編ではこの扉を抜けるとルヴィクにワープさせられてしまうので、実際に何があったかは分からずじまいだ。

研究施設の手記

被験者番号18 接続・実験開始
2分49秒 脳波異常発生
2分58秒 心肺停止 蘇生せず

被験者番号19 接続・実験開始
1分24秒 脳波異常発生
1分48秒 心肺停止 蘇生せず

被験者番号20 接続・実験開始
1分43秒 脳波異常発生
1分52秒 心肺停止 蘇生せず

被験者番号21 接続・実験開始
2分09秒 脳波異常発生
2分14秒 心肺停止 蘇生せず

被験者番号22 接続・実験開始
1分02秒 脳波異常発生
1分32秒 心肺停止 蘇生せず

被験者番号23 接続・実験開始
3分31秒 脳波異常発生
心拍数・呼吸数・血圧・体温上昇
4分24秒 意識回復
4分37秒 バイタル正常値に回復

……見つけた!

入手場所

 CHAPTER.8 マルセロとの会話イベント後、部屋にある装置の上

考察

 
 最後に記載されている被験者は他の被験者とは異なり、手記の持ち主(恐らくはルヴィク)にとって期待通りの結果をもたらした。なお、この被験者はレスリーと考えるのが妥当だ。

 この考えに則れば、レスリーという最高の被験者に辿りつくまでに、この実験により最低22人は殺害されていることになる。

洋館食堂の手記

新しい世界に 入る方法を見つけた
何もかも そこに
ずっと目の前にあった
なぜ いままで気付かなかったのか
愕然とし 自分に怒りを覚える
ひとの精神を破壊し 消し去り
思い通りにする方法は明白だ
いま やるべきことは見えている
そうする以外にないと感じている
目指していたものも 失ったものも
すべて取り戻せる
そのために必要なものは
……ヒメネス
あの男にも やっと利用価値が出てきた

入手場所

 CHAPTER.9 洋館1階、左扉の部屋、机の上

考察

 ルヴィクが残したものだろう。

「新しい世界」とは、STEM装置による彼の脳内の世界を指していると思われる。

「目指していたものも 失ったものも すべて取り戻せる」とあるが、彼の本質的な目的は「姉ラウラを蘇らせること」が半分以上を占めると言っていい。脳内の世界=新しい世界ならば、失った彼女も取り戻せるとルヴィクは考えたのだろう。

 なお、この時点のルヴィクはマルセロにいいように利用されていると分かり、歯痒い思いをしていたと想像できる。「あの男にも やっと利用価値が出てきた」とあるように、ここからルヴィクはSTEM装置の有用性をアピールし、マルセロを利用しようと考えていたのだろう。しかし、結果として、彼は研究を実力行使で奪われてしまうことになる。

洋館ルヴィク私室の手記

廊下の奥に立つ 彼女を見た
月光を浴びた いつもの長い黒髪
白磁を思わせる肌に 黒い水面のような瞳
彼女の好きな 夕日に似た深紅のドレスが
薄れゆく光のなかで 血糊のように光る
ラウラ
やっぱり 死んでなんかいなかったんだ

入手場所

 CHAPTER.9 洋館2階、左扉の奥、突き当たり左の部屋、机の上

考察

 ルヴィクが姉であるラウラをどれほど大切に思っていたのかが見てとれる。それこそ、彼女が死んだことを受け入れられないほどに。

 とはいえ、オーディオテープ“姉ラウラ”を聞く限りでは、「幻にすぎないことはわかっていた」とルヴィクは言っている。つまり、本手記は書き口の幼さから見るに、事故後まもなくのルヴィクが書き残したものと考えられる。

洋館音楽室の手記

無残に切り裂かれた ふたつの世界
上には みじめな死を嗤う 顔のない傍観者たち
下には 全てを奪われる 哀れな犠牲者たち

入手場所

 CHAPTER.9 洋館1階、右扉のピアノのある部屋、ダイヤルトラップの足下

考察

 同室にある金庫の番号は、それぞれのダイヤルが落ちている場所にある絵画の人数とリンクしており、そのためのヒントと思われる。

 なお、洋館=ルヴィクの生家のこの部屋にはピアノがあり、過去のルヴィクがドヴィッシーの「月の光」を弾いている姿を見ることができる。セーブルームへの鏡のある部屋付近で必ず流れるこの曲だが、ルヴィクにとって思い入れのある曲なのだろう。

 推測だが、“洋館ルヴィク私室の手記”にある「月光を浴びた いつもの長い黒髪」とあることから、ルヴィクにとって、月光に照らされたラウラと「月の光」が印象的に結びついていた可能性もある。

洋館地下の手記

子供たちが奪われてしまった
それが運命だと言うの? 彼が何をしたの?
わたしの素晴らしい息子が
あの火事が すべてを 奪い去った
子供たちは変わってしまった
彼らは無事だと言っていたエルネストが
いまは 彼らが逝ってしまったと言う
そんなことが起きるわけがない
母親には わかる
愛する息子の声が まだ聞こえる 彼の笑い声
いつも地下から聞こえてくる
ありえない
母親には 子供が必要なのに!

入手場所

 CHAPTER.10 洋館地下、机の上

考察

 ルヴィクの母・ベアトリス・ヴィクトリアーノが残したものだろう。

 火事によって娘を失い、息子は夫に幽閉され、精神的に異常になってしまっていることが見てとれる手記だ。

 なお、ルヴィクが父への憎悪を持っていたことは明らかだが、母についての言及はない。しかし、彼女は間違いなく純粋にルヴィクを愛していた。

地下水路の新しい手記

自由を手に入れた夢でも 見ているのか?
お前は どこにも行けないまま 屍になって
ずっと ここに転がっていたというのに
──R

入手場所

 CHAPTER.15 地下水路、車椅子の足下

考察

「地下水路の古い手記」と照らし合わせると印象深い手記。これもルヴィクが残したものだろう。

 CHAPTER.15、全ての始まりでもある精神病院に戻ってきたこと=「どこにも行けないまま」ということ。しかし、現実的にセバスチャンの肉体はSTEMシステムに接続されており、事実を端的に伝えただけ、とも取れる。

 表面的に見ればルヴィクがセバスチャンに向けている文面ではあるが、実は、これはルヴィク自身の自虐とも取れる。

 ルヴィクが得たものは彼の脳が作り出した「自由を手に入れた夢」であり、「どこにも行けないまま 屍になって ずっと ここに転がっていたというのに」は既に肉体を失っている彼を示していると言えなくもない。

 なお、新聞“下水道にバラバラ死体”には「脳を取り出された男性の変死体があった」とあり、これが仮にルヴィクのこととすれば、実に皮肉な文面と言える。

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