編集部コラム/地底インフラ光と闇、赤い帽子の謎
本日の書き手:ドM男性ライターY
有機的に絡み合う血管めいた背景、いたるところから噴き出す熔岩、我が物顔で闊歩する強力なマモノたち……、そう、地底世界はまさに地獄と呼ぶにふさわしい場所だった。
がむしゃらに探索を繰り返し、“ファイアインプ”に遠距離から焼死させられ、“デーモン”の魔法攻撃に切り刻まれ、熔岩に燃やされ、“ヘルストーン”採掘をしくじってやっぱり熔岩に燃やされ、墓標を立てること20数回。もうこんなのはイヤだ! もっと快適に地底世界をエンジョイしたいッ!
そこで僕は、【地底世界インフラ計画】を発動することにした。全体が大きな空洞になっている特性を利用し、至る所に移動しやすい仕組みにしてやろうというわけだ。
こう書くと「キャー、ステキ! インテリ野郎!」と賞賛されることと思うが、僕はゴリ押しの脳筋プレイが大好きというタイプ。やることは至って単純だ。
とはいえ、地底世界はワールドの端から端まで伸びている。その労力はハンパではない。やたらハネまくる“ラーバスライム”、1匹見つけたら確実に3匹は潜んでいる“ヘルバット”らに、工事を邪魔されジワジワと嬲り殺されることも珍しくない。
その度にいちいち地上に戻されるのは実にタイムロスだ。そして、「あっ、家を作ってなかったや! テヘペロっ☆」とようやく気づく僕。
こうして安定した工事が可能となり、横にブロックを積み重ねること4時間、ついに大陸を横断する大回廊が完成!
↑ちなみにこれ、地底世界のボス“ウォールオブフレッシュ”攻略にも有効だったりする。
これを皮切りに、僕は地底世界の神となるのだ! ふーはははは! と、意気揚々と凱旋すれば……、
マモノ相手に商売するつもりなのか、発言の節々から面倒臭そうな匂いがして他のNPCに追いやられたのか……。せめて“ナース”をはじめとした女性陣なら大歓迎だったんだけど。
こうして僕と“したてや”の奇妙な共同生活がはじまった。家に帰る度にダークな話を聞かされ、もちろん家賃も払ってくれない。いっそ熔岩で焼き殺してしまおうかと暗い考えもよぎったが、あんまりなので思いとどまった。
しかし……。
↑目を離した隙にお亡くなりになっていた“したてや”。“ファイアインプ”容疑者は現在逃亡中。
あれだけ邪険に思っていた彼も、いなくなれば寂しいものだ。しかしこれも弱肉強食、地底世界の掟。とはいえ、蘇った“したてや”が再び戻ってくることがないよう、家具一式を取り払っておいたことは言うまでもない。
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